※この記事は、THE LIVELY 東京麻布十番のスタッフが執筆しています。

日本において「春」が、単なる冬から夏への移行期間ではなく、四季の一角としてその地位を保証されているのは、やはり「桜」に負うところが大きいといえるのではないでしょうか。
何世代にもわたり、桜は、日本人にとって深い文化的・感情的な意味を持ってきました。しかし近年では、その魅力は日本を越えて広がり、昨年には開花シーズンに訪れる外国人観光客の数が過去最高を記録しました。海外からの桜に対する注目度が年々上がっているという喜ばしい兆候です。そこで本稿では、当ホテルの周辺にあるお花見スポットを3箇所ピックアップし、ご紹介いたします。
青山霊園

明治7年に開設された日本初にして最大規模の公営墓地で、その広さたるや実に約26万平方メートル。春には園内を南北に貫く約1.7kmの通り沿いに連なる並木が、迫りくるような「桜のトンネル」を形成します。植えられているソメイヨシノの数は400本以上にのぼるといいます。また、墓所という場所柄、宴会が禁止されているため、都心にありながら心穏やかに散策することができる「かくれた桜の名所」として親しまれています。ホテルからはタクシーで約10分で、気軽に訪れることのできる花見スポットの中では最も王道で、本格的といえます。
有栖川宮記念公園

有栖川宮記念公園は、旧有栖川宮家の御料地を活かした公園で、高低差のある地形を活かした日本庭園の趣が特徴です。ホテルから徒歩で15分のところにあるので、散歩の延長のような感覚で訪ねるのがおすすめ。園内にはソメイヨシノやヤマザクラなど全11種類、約100本の桜が植えられているといいます。特に、西南側の池周辺に咲く桜が水面に映える風景や、高台の広場に咲き誇る様子が見どころです。ブルーシートなどを持参して、ゆったりと過ごしてみてはいかがでしょうか。
六本木さくら坂

六本木ヒルズのレジデンスエリアに位置する約400メートルの並木道。再開発にともなって植えられた約75本のソメイヨシノが、春には道路に覆いかぶさるように咲き乱れます。都会的で洗練された景観が特徴で、特に坂道の上にかかる歩道橋は、目線の高さで咲き誇る桜を間近に眺めることができる絶好のフォトスポット。また例年、開花時期に合わせてLEDによるライトアップが実施され、昼間とは一味違う幻想的な夜桜を楽しむことができます。ホテルからは歩いて約6分と近場なので、タイトなスケジュールの中でもフラッと訪ねることができるのではないでしょうか。ホテルのラウンジでハッピーアワーを楽しんでから、酔い覚ましの散歩のつもりで立ち寄ってみても良いかもしれません!

これらのほかにも、東京ミッドタウンや毛利庭園、スペイン坂などが、ホテルから徒歩圏内の花見スポットとして挙げられます。いずれもメジャーな商業施設内、あるいはその近辺に位置しているため、ショッピングのついでに桜をお楽しみいただけます。さらに、探索の範囲を東京全域に広げるのであれば、上野恩賜公園や目黒川、隅田公園などは、ぜひ訪れていただきたい、いわば花見のホットスポットといえるでしょう。
桜づくしの1日の過ごしかたのご提案

9:00|朝:ホテルで朝食を楽しむ
今年リニューアルした朝食を2階のレストランで。4種のセットメニューに加え、パンは取り放題。1日のスタートにぴったりな、満足感のある朝食でエネルギーをチャージしましょう。
10:00頃|午前:スーパーマーケットでピクニック準備
有栖川宮記念公園へ向かう前に、近くの「ナショナル麻布」で食材を調達。国際色豊かな惣菜やフルーツ、ドリンクなど、ピクニックにぴったりのアイテムが揃います。
11:30頃|昼前:有栖川宮記念公園で花見を満喫
陽が高いうちに公園へ到着。満開の桜を眺めながら、購入した食材でピクニックランチを楽しみます。落ち着いた雰囲気の中で、ゆったりと春の時間を過ごせます。
14:30頃|午後:六本木エリアでショッピング
花見を楽しんだ後は、六本木ヒルズなど周辺エリアでショッピングやカフェタイム。話題のショップやギャラリー巡りもおすすめです。
18:00頃|夕方:ライトアップされたさくら坂を通ってホテルへ
日が暮れ始めたら、ライトアップされたさくら坂を通ってホテルへ戻ります。昼とは違った幻想的な桜の表情を楽しめます。
19:30頃|夜:9階ルーフトップバーで余韻を楽しむ
1日の締めくくりは、9階のルーフトップバー「THE LIVELY BAR 麻布十番」へ。夜桜の余韻に浸りながら、ドリンクとともにゆったりとした大人の時間をお過ごしください。
桜の視覚的な「美」以上の美しさ
少し話は逸れますが、1890年に日本に渡ってきたジャーナリスト / 随筆家のラフカディオ・ハーンは、自身の著書『知られぬ日本の面影』の中で、桜について次のように綴っています。
春、(桜の)木々が花をつけるとき、それはまるで、夕焼けにほのかに染まった最も柔らかな雲の塊が、はるか高い空から舞い降りてきて、枝々にまとわりついたかのようである。この比喩は決して詩的誇張ではなく、また独創的なものでもない。(略)日本で桜の花が咲くのを見たことのない読者には、その光景の喜びを想像することは到底できまい。そこにはまだ緑の葉はなく、(略)ただ、ひときわ見事な花の繚乱があるのみで、すべての小枝や太い枝までもが、かすかな花の霞に包まれる。そして一本一本の木の下の地面は、まるで桃色の雪が吹き溜まったかのように、散り落ちた花びらによって深く覆い尽くされるのである。
ハーンは、桜のこうした本質的な美しさ(美しさが桜本来の性質として備わって「在る」状態)に魅了されつつ、実存的な美しさ(ただ「在る」桜に日本人が美しいという価値を付与した状態)にも着目しています。「日本の桜は象徴的な存在だ。古い武士の庭に植えられていた桜は、その美しさだけを愛でられていたのではなかった。汚れなきその花は、高雅な礼節と真の武士道にふさわしい、繊細な情感と非の打ちどころのない生き方を象徴するものと見なされていた」という記述からは、ハーンが桜に日本人特有の(死生観にまで及ぶ)美学を的確に透かし見ていたことがうかがえます。桜は夙(つと)に、単なる華やかな春の風物詩としてだけでなく、はかなさや潔さ、(さらに近年では)別れや出会いなどの叙情的(情緒的)な「シンボル」としても親しまれてきました。ハーンはまた、別の著書の中で、樹木や花に喜びを見い出す日本人の「生のあらゆる詩情に対する感受性」には、「どこか宗教的な感情が結びついている」と分析しています。
ハーンが息を呑むようにして見入ったであろう情景を、そして目に映る視覚的情報としての美しさ以上の「美しさ」を、みなさんにも味わっていただきたいと思います。
THE LIVELY 東京麻布十番

THE LIVELY 東京麻布十番は、エレガント且つ遊び心あるデザインが特徴のライフスタイルホテル。テラス付きの客室や、東京タワーの見えるバーがあり都会で味わう贅沢な時間を提供します。
<施設概要>