人数は大人の人数のみカウントしてください。
検索ボタンを押すと宿泊予約サイトに移行します。(移行に3秒程度かかる場合があります。)

【UNWIND HOTEL&BAR札幌】ローカルコラボレーション企画vol.1【UNWIND × mountainman】誕生秘話

2021年秋、UNWIND札幌と札幌で今最も話題のレストランの一つ、住所非公開のアウトドアレストラン”mountainman”と、がタッグを組んだローカルコラボレーションが始動しました。そこで、仕掛け人である当ホテルのマネージャー大場伸二と、”mountainman”クリエイティブディレクターのメアラシケンイチさんに、コラボレーション誕生の経緯とビジョンについて話を訊きました。

─まずは、ローカルコラボレーションプランを立ち上げた経緯について聞かせてください

大場:きっかけとなったのはコロナ禍です。コロナ以前、我々のホテルはインバウンドのご利用が6割以上ありました。コロナでその需要が失われ、厳しい状況が続く中で、改めてこのホテルの売りを考えた時に、ロッジの世界観をさらに掘り下げて、独自性をもっと表現して、そこに札幌の魅力をうまくかけ合わせたいと思ったんです。そんな時に、開業当時から館内のサインデザインなどの制作でご協力いただいていた、クリエイティブディレクターのメアラシさんが、”mountainman”というアウトドアレストランを始めたようだとスタッフから聞いて、「これはめちゃくちゃ良さそう!」と思い、すぐにメアラシさんにご連絡したんです。

メアラシ:電話いただいた翌日にいらっしゃいましたよね?オープンの一週間も前でしたけど(笑)。

大場:すぐに現場を見たくなり、家族で伺ったんですが、「やっぱりすごくいいな!」と思いました。ぜひ札幌らしいコラボレーションの第一弾として、mountainmanとタッグを組めないかという構想をお伝えしたところ、メアラシさんにも共感していただいて昨年秋からスタートを切りました。

▲UNWIND HOTEL & BAR 札幌 マネージャー 大場 伸二

─自分たちの世界観を共有できるようなmountainmanが、タイミングよくハマったということですね。

大場:そうですね。コロナ禍で札幌のまちがすごく寂しくなったと感じました。もちろん自粛しなければいけない状況ではあったものの、閉店や休業というニュースが流れる中で、自分のホテルの売上を良くしようということだけじゃなくて、まちの魅力を新しく作っていくことも、ホテルを通じてやっていきたいという思いが個人的にありました。我々のホテルという一つの点が、mountainmanという点とつながって線になって、地元の事業者さんやクリエイターさんと一つ一つカタチにしていくことで、その線が面になって、札幌の魅力がぐっと増していくようなことができないかと。中でも我々のホテルと世界観が共通するmountainmanは、スタートにふさわしいパートナーだと思いました。

メアラシ:mountainmanとして組む前から、実は今回のローカルコラボの構想について相談を受けていたんです。その時に「お互いに利益があるから組むというよりも、お互いに対してリスペクトを持てる人と組みたい」というような話を大場さんがされたのが、すごく印象的だったんですね。我々はデザインの仕事でUNWINDのお世話になっていたというのもありましたけど、それ以前にUNWINDの世界観がかっこいいなと思っていたんです。ホテルの屋上で焚き火ができる感覚は、これまで札幌にないものだったし、何か海外のライフスタイルホテルのようなセンスを持った人が札幌にもいるんだ、というリスペクトもありました。

大場さんとは、ポートランドのカルチャーの話をよくしているのですが、mountainmanもUNWINDも、そこがキーワードなのかなと思うんです。例えばDIYのマインドだったり、ローカルを大事にしている感じ。そういう概念がベースになっている気がします。大場さんは、アメリカでアウトドアやスキーをずっとやって来られたんですよね?

▲“mountainman” クリエイティブディレクター メアラシケンイチさん

大場:僕はポートランドの近くのシアトルで暮らしていました。ただポートランドの話になると長くなってしまうんですけど(笑)、うちのホテルは、アメリカの老舗のウールを中心としたファッションブランド「Pendleton」さんとの関係が深くて、ユニフォームの開発や、Pendletonのファブリックを全面に使ったPendletonルームというコラボレーションルームも展開しています。そのPendletonの本社がポートランドなんですよね。また僕がUNWINDのブランディングを考えていた時に、ポートランドと札幌市が姉妹都市であることも、一つの軸にしたいと思いました。ポートランドの人々が大事にしていることの一つに、コミュニティー意識があるんですよね。地元でのつながりを、めちゃくちゃ大事にしているまちなんです。ですから、ただ向こうの物を持ってくるだけじゃなくて、ライフスタイルやカルチャーを取り入れて、表現していけたらと思いました。

メアラシ:「暮らすように旅する」という言い方をよくされるけど、何度も札幌に来たことある人は、札幌の人のリアルな暮らしを追体験したいという気持ちが強いような気がするんです。ただおいしいものを食べて、雪祭りを観光するというこれまでのアプローチではなく、自分から地元に入っていくような旅をしませんか?という提案がローカルコラボだと思っています。大場さんも、札幌の人たちの暮らしを体験させるような取り組みを、コンテンツにしていきたいというお考えでしたよね。

たまたまトップバッターがmountainmanというだけで、そのほかに何があるだろうと考えた時に、雪上でも自転車に乗る暮らしは、札幌ならではだということで、ファットバイクのレンタルを、サムズバイクさんと組んでみたら面白いんじゃないかと提案したんですね。ローカルコラボがどんどん広がって、ゲストに新しい価値をプレゼンできたらいいですよね。

大場:本当にそうですね。ロッジの世界観を広げていった時に、クラフトやアウトドア、DIY、キャンプ……、いろんな関連ワードが出てくると思うんですけど、そうした冒険の拠点となる場所というイメージを、我々のホテルはももっと表現していきたいですね。これまでにうちのホテルに泊まったお客様から、「どこか面白いところはないですか?」と尋ねられると、毎回悩んでいました。グルメなら案内できるんですけど、じゃあ日中何か楽しいところとなると、あまり思いつかなかったんです。それをこのコラボレーションで解決したい、という思いはありますね。

─mountainmanは、どういう思いから生まれたんですか?

メアラシ:mountainmanがある場所は、僕のルーツとも言える場所なんです。札幌市内なのに、住宅地から離れているのですごく不便で、昔は何一つ魅力を感じていなかったんですけど、大人になって国内外のあらゆるところを見て、都会と自然のバランスが絶妙というか、すごくいい場所だと再認識していたんですね。同時に、大好きなポートランドの朝食とブランチというカルチャーの楽しさを広めたいとか、そうした気持ちが高まっていた時にコロナ禍になり、レストランを運営する立場としては、非常に切ない時期を迎えたんです。けれどもここで、泣き言や文句を言いたくないと思ったんですよ。僕はもともとパンクロックをやっていたんですけれども、パンクロックは破壊じゃなくて創造なんですよね。だから夜の営業がダメと言うなら、朝でやってやろうじゃないかとか、密がダメなら外ならいいんじゃないとか。あっけらかんと面白いことをやってやろうと思って、ここを作ったんです。幸いにも自然豊かな場所があり、おいしいものを食べさせるノウハウもスタッフもいます。クリエイティブの能力もある。当然ながらすごく大変だったんですけど、大変さはまったく見せないようにしました(笑)。

大場:そうですよね(笑)。

メアラシ:ないものを作ることは大変だし、本当にヘビーな作業ですけど、だからこそ新たな出会いが生まれたり、新たな価値が生まれることがあるんですよね。何年か経った時に、「札幌といえば朝食だよね」となれば面白いなと。札幌の価値って、200万都市でこれほどの雪が積もることとか、30分車で走ったら大自然の中で焚き火ができたりキャンプができたりする。まるでテレビを見るような感覚で、本格的なアウトドアが楽しめるというのは、恵まれていると感じていますね。

─大場さんからコラボレーションを打診されて、どう感じましたか?

メアラシ:UNWINDはもともとお付き合いもあったし、素敵だなって思っていたので、そのスタッフの方々や大場さんが見ていてくれたんだと思うと嬉しかったですね。しかも大場さんの熱量が、めちゃくちゃ高いんですよね(笑)。個人的に、今回のコラボの共通言語の一つは、“熱量”だと思っています。会社で運営する店舗だったとしても、携わる人の熱量が企画の良し悪しにつながっていくと思うので、だからスピード感や熱量というのは、めちゃくちゃ大事だなと思うんです。

mountainmanを作っている最中、インスタグラムで途中経過をあげていたんですよ。それでフォロワーがものすごく伸びていって、オープン前に2000人以上のフォロワーがついたんです。その中に僕らと同じぐらい熱量の高い人たちもたくさんいて、その人たちから「手伝いにいっていいですか?」という連絡も多かったので、すごく手応えを感じました。

─今回第二弾は内容でこだわったところとかはありますか?

大場:第一弾は、うちの宿泊とmountainmanでのブランチというシンプルなプランでスタートしたんですね。冬バージョンはレベルを上げて、選択肢を増やしたいと思っていたんですよね。そこでmountainmanのランチとディナー、あとはテントサウナということで、ゲストの目的意識に合わせて自由に選べるように、今回はお一人様3000円の「mountainmanご利用付きプラン」という形で用意しました。mountainmanの予約専用ページで、ご自由にメニューを選んでいただけます。

メアラシ:夏は日の出から日没まで、みたいなコンセプトでやっていたんですけども、冬に関しては昼から夜までに変更して、ランチは焚き火で作ったスパイスカレーを、夜は焚き火料理のコースを用意しています。体験の一番の売りは、テントサウナですね。自然の中で雪風呂に入れるのは、札幌市内でもそうそうありません。裸になって雪にダイブできるのは、札幌ではおそらくうちだけでしょう(笑)。全国のサウナーの方々にはぜひ体験してほしいですね。札幌でもし二泊するとしたら一泊目はすすきのや大通でおいしいものを食べて、札幌の都会感を感じてもらい、二日目は朝からmountainmanに冒険に行って、テントサウナに入ってカレーを食べるもよし、テントサウナに入ってディナーを食べるも良しということで。

大場:体力がある方には、ファットバイクでホテルからmountainmanまで来てもらって(笑)。かなりハードですけど、不可能ではないと思います(笑)。

メアラシ:(笑)。本州の人たちは、特に札幌や北海道に対して、都会的なものはあまり求めていないのかもしれない、というのは最近すごく感じます。地元の人でしか食べられないローカルフードや、ローカルな人が普段食べているものが食べたいというか。自然を欲していたり、地元の人と触れ合いたいような気がしているので、僕たちは、普段自分たちがやっていることに、もっと自信を持っていいんじゃないかなと思っています。

大場:コロナ禍で、僕はこのホテルのブランディングについて考える時間が多くなっていたんですが、今回のコラボレーションのビジョンを思い描いていくと、結果的に札幌というまちのブランディングにもつながっているというか、まちをブランディングしていく感覚と同じような気がしたんですね。

メアラシ:僕らが札幌のブランディングを語るのは、おこがましいと感じるところもありますけれども、この取り組みを見た人が「自分も参加したい」と少しずつ面になって、いろいろなホテルでもローカルコラボをやるようになっていけば、札幌というまちのブランディングにもきっとつながっていきそうですよね。

─これまでありそうでなかったものを、外からの目線ではなく、地元に住んでいる人たちがプレゼンテーションし始めたこともすごくいい動きですよね。

メアラシ:それが DIY ですよね。行政から言われてやるとか、広告代理店が仕掛けるマスキャンペーンみたいなものは、みんなのためになることだけど、とんがれないというか、一過性で終わるような印象もありますよね。それなら僕たち気の合う仲間だけでやっちゃおうぜというのがDIYっぽくていいですよね。

大場:札幌でデザイン性の高いお仕事をされている方々もいらっしゃるんですけど、これまで感度の高い人たちは、どうしても東京に流れていたと思うんですよね。でもそういう人たちが「札幌がいいよね」「札幌ってかっこいいよね」と思えるようなカルチャーを作っていきたいと思っていて、今ようやく走り出したところかなあと思っています。

─コラボレーション企画を体験することで、お客様にどんな思いを感じてもらいたいですか?

大場:まちと自然の近さとか、体温が伝わるようなサービス、新しい体験や価値みたいなものを感じていただいて、「札幌らしい体験ができたなぁ」「札幌に来て良かったなぁ」と思ってもらえたら嬉しいですね。それから札幌で感じたカルチャーとか DIYの概念のような感覚を持ち帰って、自分の生活にも取り入れてみたいと思ってもらえたら。そこから、ますます札幌に興味を持ってもらいたいですね。

メアラシ:そうすると、札幌の価値が上がりますよね。

大場:そうですね。それが札幌に住んでいる人たちにも返ってくる気がしています。自信になっていくというか、この土地に対してさらに誇りが持てたり自慢したくなると思うんです。

メアラシ:僕はポートランドやLA によく行くんですけど、ライフスタイルのデザインにしても店作りのデザイン、価値観にしても帰ってくると真似したくなることがたくさんあるんです。帰国するとものすごく買い物をしちゃったり、何かを作ったりするんですね。大場さんが今おっしゃったように、mountainmanとUNWINDに行って、「めちゃくちゃ刺激を受けた!」と言って、自分の地元に帰ってペンドルトンのベットカバーをかけたりとか、そういうことをアンワインドチックだ、札幌っぽいよね、とか言われるようになるとすごくいいなと思いますね。

ローカルコラボレーション企画vol.1
【UNWIND x mountaiman】
UNWINDが提案する、旅の新機軸。〜暮らすように旅する札幌〜

プランはこちら

大場 伸二
UNWIND HOTEL & BAR 札幌・小樽 マネージャー

山形県出身。大学卒業後、都市銀行に就職。退職後はアメリカ留学を経験。ニュージーランドのスキー場でインストラクターとして勤務後、キロロリゾートでスキースクールの校長業に従事。飲食業などを経験し、2016年12月よりUNWIND HOTEL & BAR 札幌のマネージャーに就任。2019年4月より同 小樽のマネージャー職を兼務。

メアラシ ケンイチ
株式会社エイプリル クリエイティブディレクター

1972年生まれ。株式会社エイプリルのクリエイティブディレクターとして、北海道を中心に全国でブランディングディレクションを行う。2021年夏に住所非公開のアウトドアレストラン「mountainman」をオープン。平日はまちの中、週末は森の中で暮らすデュアルライフを実践中。

まるでロッジのような非日常感と自宅のような快適性をホテルで。アンワインドホテルアンドバ-札幌は、素朴でシックな雰囲気の洗練されたライフスタイルホテルです。