
連日最高気温35度以上の猛暑が続く夏。
熱を帯びた身体を内側からクールダウンさせたいと思うこと、ありませんか?
この記事では、そんな欲求を美味しく満たしてくれるような「かき氷」が食べられるお店を、
THE LIVELY 東京麻布十番周辺からピックアップして、ご紹介します。
今回、ホテルのスタッフが計3店舗に足を運び、実際にそれぞれのお店の人気商品を食べてきたので、その味の感想も紹介文に含めています。
麻布野菜菓子

一つ目に紹介するお店は、ホテルから徒歩で約9分、麻布通り沿いのマンションの1階にある「麻布野菜菓子」です。

普段は「野菜で作ったちょっとだけ贅沢なお菓子」を出している菓子店ですが、3月〜11月の期間限定でかき氷を提供しています。店内のカフェスペースには、テーブル席が5席設けられており、こぢんまりとしつつも落ち着いた雰囲気の中で飲食を楽しむことができます。
また、開放的な夏空の下で、暑い外気と冷たいかき氷のコントラストを味わいたいという方や、クーラーの冷気が苦手な方は、店先のテラス席(2席)を利用することもできるようです。

デザートメニューには、旬の野菜や果実を使ったかき氷6〜8種類(時期によって変動)のほかに、サツマイモのバニラアイス添えやほうれん草と抹茶のモンブランなど、野菜菓子店ならではの品々もラインアップに加わっています。
今回スタッフがいただいたのは、「いちじくのかき氷」と「アボカドのかき氷」。

注文するとすぐに、透明なガラス容器にうず高く盛られたかき氷が、木製のおぼんで運ばれてきました。
深い赤茶色の輪花皿の受け皿が、ガラスのボウルや削り氷の透明感や清涼感を引き立てています。
「いちじくのかき氷」は、蓬莱柿(ほうらいし)いちじくの濃厚なソースが氷の上に幾重にもまわしかけられていて、美しい朱色のマーブルのような模様が雪山の山肌を伝うようにして、麓の方へゆっくりと流れていました。ツボが浅めの金属製スプーンですくって口に運ぶと、ふわっとした氷が口の中で溶けるのと同時に、ソースの甘酸っぱさやクリームチーズのこくのある酸味が広がります。大きめに切り分けられたいちじくの果肉は、ねっとりとした食感でほろ甘く、後を引かない爽やかさがありました。濃厚なのに調和の取れた味わいなので、甘すぎるかき氷が苦手な方にもおすすめです。

併せて注文した「アボカドのかき氷」は、こってりと重い質感の淡い黄緑のソースの上に、まばらにブルーベリーが盛り付けられたユニークなビジュアルが目を引く一品。「森のバター」とも呼ばれるアボカドのコクと滑らかな口当たりはそのままに、ブルーベリーソースや練乳の甘さが青臭さを見事に打ち消し、重層的な味わいを演出していました。こうした「均衡のとれた複雑さ」は、野菜 × お菓子のような創作を土俵にしているこのお店ならではの業であるように感じられました。
「麻布野菜菓子」には、いちじくやアボカド以外にも、ミニトマトやセロリ、ナスと赤ワインなどのかき氷があり、野菜好きの人はもちろん、野菜のポテンシャルの高さを体感してみたい人、あるいは、かき氷を食べて涼む以外に、もうひとつテーマが欲しい方にとっては、うってつけです。
店舗概要
- 店舗名:麻布野菜菓子
- 所在地: 〒106-0045 東京都港区麻布十番3丁目1−5
- 営業時間:月 ~ 金 11:00 ~ 19:00 | 土曜日・日曜日 11:00 ~ 18:30
- 定休日:火曜日
果実と氷 岩澤 麻布十番本店

二つ目のお店は、「果実と氷 岩澤 麻布十番本店」です。東京メトロ南北線の麻布十番駅1番出口を出てすぐ右に曲がったところにあるマンションの1階に入っていて、ホテルからは歩いて8分ほどのところにあります。店内は、ほの暗く落ち着いた雰囲気で、L字型のカウンターに全14脚の椅子が配されています。
2台の氷削機が稼働しているところも含め、座席から、オープンキッチンの中で自分のかき氷が出来上がっていく様子を見ることができます。オーダーは、トッピングも含め食券制で、席についてから10分足らずでかき氷が運ばれてきました。今回頼んだのは、人気メニューのひとつ<宮崎完熟マンゴーDX>。サイズは<大きめ/レギュラー/小さめ>から選択可能で、トッピングも5種類と豊富です。中にはパルミジャーノやエスプーマなど、他ではあまり見られない個性的なものもあり、冒険心をくすぐられます。

運ばれてきたかき氷は、氷の部分のおおよそが隠れてしまうほどのたっぷりのマンゴーソースで覆われており、終盤に差しかかるとソースやシロップが薄まってしまうかき氷の難点を、まったく感じさせませんでした。器は、果実の鮮やかさを引き立てるシンプルな白の陶器。かき氷の上部には、ゴロゴロと大きめにカットされた生マンゴーが贅沢に盛られていて、程よく熟した艷やかな果肉の質感に、思わず見入ってしまいます。鎚目の入った金属スプーンとは別に、果実だけを楽しめるように姫フォークも添えられていました。
太陽の光を目一杯浴びた宮崎マンゴーは、自然からとれるもののなかで最も甘いのでは、と思えるほど際立って糖度が高く、舌と上顎の間で解けるようにして潰えてしまいそうなくらい、ねっとりと柔らかい。そしてかき氷を食べ進めていくと、中からはなんとパッションフルーツの果肉と種子が―――味や食感が単調にならないような工夫も凝らされていました。

月並みなかき氷では物足りない、贅沢な生フルーツとかき氷を一緒に味わいたいという方は、ぜひ一度、<果実と氷 岩澤 麻布十番本店>に足を運んでみてはいかがでしょうか。
店舗概要
- 店舗名:果実と氷 岩澤 麻布十番本店
- 所在地:〒106-0045 東京都港区麻布十番2丁目21−9 網代コート 1F スイーツ
- 営業時間:11:00 ~ 22:00(LO 21:30)
花氷

最後に紹介するお店は、都営大江戸線六本木駅7番出口から徒歩約1分のところにある「花氷」です。ふたりの女子大学生が、雑居ビルの地下1階にあるバーを間借りして切り盛りしており、店内は、その若い美的感性と精緻(せいち)な技術に魅せられた、彼女たちと同年代の女性で賑わっていました。
プリンが主役のかき氷や、焼きとうもろこしのかき氷など、個性とこだわりのつまった変わりダネ全7品から、今回スタッフが選んで実食したのが「とろけるいちご大福」のかき氷。

繊細に削り出された、まるで綿毛のような繊維状の氷に、鮮やかな赤のいちごシロップが滲み広がり、さらにその上には、もったりと重力にたわむ求肥が覆いかぶさっていました。求肥の口あたりは、品名にもある通り、まさに「とろける」ようで、その控えめでしとやかな甘さが、いちごの酸味と豊穣なハーモニーを織りなしています。かき氷を掘り進めていくと行き当たる白味噌シャンティは、クセが無いのに芳醇で、味の雰囲気をガラッと「和」に変える奇想天外なアクセント。清涼感のあるガラスの器の底面には、こし餡が敷かれていて、最後まで飽きがこない仕様になっていました。

前出の通り、「花氷」を営んでいるのは現役の大学生。年間100杯以上もかき氷を食べ歩くという代表の奥山さんが、共通の嗜好(しこう)を持つ山上さんを巻き込んで立ち上げたのが、「かわいさ」と「本格さ」が両立する「理想のかき氷屋さん」を作るこのプロジェクトでした。ふたりは、多忙な学生生活の合間を縫ってクラウドファンディングで資金を募り、レシピにも様々なアイデアを巡らせ、念願の出店に漕ぎつけます。営業期間は9月末までと期限付きではありますが、彼女たちの熱意と卓越した技巧のつまった一杯は、夏が暮れる前にぜひとも体感していただきたいと思います。
店舗概要
- 店舗名:花氷
- 所在地:〒106-0032 東京都港区六本木4丁目12−12 Sankoビル B1F
- 営業時間:月 ~ 木 11:00 〜 17:00 | 金 ~ 日 11:00 ~ 19:00
今回ご紹介した3つの店舗は、いずれも当ホテルから徒歩で20分圏内にあり、最寄りの地下鉄駅からも極めてアクセスしやすいところに位置しています。暑さに耐えながら歩いてもよし、比較的涼しい地下通路を通って向かうもよし。いずれにしても、美味しく涼を取れること間違いなし―――そう自信を持っておすすめできるお店です。
※店舗によっては予約が必要な場合があります。